仙川の上流端から野川合流ポイントへ
多摩川の支流「野川」のそのまた支流「仙川」。今回は仙川のはじまりの場所「上流端」から、野川との合流ポイントを目指す冒険に出かけることにしました。距離にしてだいたい20km。無理せず、だらだら走りながら仙川を下るため、まずは小金井市にある「上流端」まで自宅から電車を駆使して目指します。
ここが「上流端」。JR武蔵小金井駅から徒歩数分。河川の看板と同じ体裁で「上流端」と書いてありとてもわかり易いです。
早速場所を多摩川138てぬぐいでチェック。今はだいたいこのへんですね。
上流端から眺めた仙川。水量は少なく基本枯れているみたい。少し進むと団地に突入。
そのまま進むと「山王窪の築樋(つきどい)」という水路の立体交差の跡を見ることができます。玉川上水からの水と仙川がクロスしていたんですね。
肝心のクロスしている様子なんですが、草木が生い茂っていることと、そもそもちょっと分かりにくいため、いい写真が撮れませんでした笑。気になる方はググってみてください。
この先、少し暗渠化して住宅地へと入っていきます。
↑こんな感じの開渠が続きます。上流部はすべて開渠・暗渠。
↑大きな通りに出てきました。ここで暗渠化。地下に流れる(流れてないけど)水路を思い浮かべながら進みます。
再会。ここからまた開渠になります。
開渠。開渠。開渠。ひたすらの開渠。
本当は開渠沿いを走りたいのですが、↑こういう脇道がある場所はほとんどなくて、何度も迂回しながら苦労してめぐります。なので、本来川沿いに移動すれば10分のところを30分くらいかけて移動するようなことをひたすらやっていました。なんとなく気持ち的にも疲れました・・・
そして大きく迂回してたどり着いたのが浴恩館公園。なんでも、昭和初期に京都御所の大嘗祭で使われた建築移築した「浴恩館」という建物があったり、志を同じくする若者たちの居住の史跡(現在は消失して見れないらしい)などがあったりと非常に文化レベルの高い感じ・・・!
↑園内はこんな感じで自然あふれる気持ちの良い公園になっています。開渠開渠していた景色ばかり見てきたのでせせらぎに癒やされます。
↑ここが「浴恩館」。仙川とは関係なさそうだったので素通りしてしまいましたが、貴重な昭和初期の建築ということなので興味のある方は中に入って見学してみると良いと思います。
公園を出ると脇に仙川が流れていました。枯れてるから正確には「流れて」はいないか。
またひたすら開渠が続きます。写真を見て分かる通り、川の両側には人が入って良い道がありません。無理やり入って川沿いをめぐることもできますが、それはやめておきましょう。
小金井市から武蔵野市に入ったら、なんとここで水が!
湧き水ではないですが、やはり川は水があったほうが良いですね〜。
って、のほほんとしていたらなんと、再びの枯渇!さらば癒やしのせせらぎよ。
どうやら水が流れているのはほんの数百メートル程度で、その先はこれまで通りの開渠のよう。しかも、かなり住宅地の中を突っ切って流れているので、ほとんど川沿いにめぐるのは不可能でした。
武蔵境通りにぶつかると、この先から暗渠になります。
しかも、この先はかなり区画整理がされている感じなので、仙川の流れをトレースできるかかなり不安に。
↑本当にここは仙川なのでしょうか。
ふと、足元のマンホールに目をやるとそこにはしっかりと「河川」の文字が!雨水でも汚水でもない、ここは間違いなく仙川だ!
その後も、かなり分かりにくい道をめぐりながら進みます。大丈夫、ここは仙川だ、と自分に言い聞かせながら。川の流れを見極める力と想像力が試される時間が続きます。
武蔵境駅を通り越したあたりで開渠の仙川と再会!
読んでいる方、そろそろこの展開に飽きてきたかと思いますけど、
一番飽き飽きしたのは私です。
普段、開渠は割合好きなのですが流石に飽きてきた。
そんな中、三鷹市に入るとなんと「水源の森」という文字が!三鷹市さんさすがです!やはり分かってらっしゃる!
どうやら、森から流れる水の流れを再現して、この公園に水源を作ったみたい。
今日はあまり水の流れが無いけれど、こうした装置を公園に設置するとは、三鷹市さんさすがです!(2回目)
ただ、この公園の先にはこれまで通りの開渠パートが再開したのでした。写真は割愛させていただきます。
その後も、開渠や暗渠を経て、ようやくたどり着いたのがこちら。
水が満ち足りています!なんというか、やっぱり川はこうでなくっちゃね。
場所は三鷹市新川の野川宿橋。橋から下を覗くと他の場所から送水されてきた水ですが、湧き水風にボコボコと音を立てて吹き出していました。
ここから先は遊歩道として整備されているので川沿いをめぐることができます。ヤッター!
水草や魚たちの姿も。市民の憩いの川になっている感じが伝わってきます。
京王線を越えて調布市に入ったところで一旦ランチ休憩。中華そばしば田さん。
お店は仙川から割と離れているので、このままショートカットして仙川に戻っちまおうかと10回くらい思ったのですが、きちんと離脱したポイントまで戻りました。
しばらく進むと世田谷区へ入ります。祖師谷公園付近で珍しいガラスブロックのアーチがある橋を発見。
祖師谷公園には鯉のぼりが泳いでいました。
カモ!
成城学園を流れる仙川。このへんの雰囲気結構好きでした。
川底を見ると地層が露出しているのが見えます。このへんでも化石探しできるのかな〜。ただ、川に降りられる場所がないのでおすすめできません。
小田急線を越えていよいよ野川との合流ポイントに近づいてきました。
世田谷区岡本付近の仙川。実はここは丸子川の上流端でもあります。左の細い水路が丸子川、右が仙川です。
ここらへんは、ふだん見慣れている仙川の景色なのでなんだかホッとします。
さあ、この先は野川です。ずっと工事をしているので全体像が分かりにくいですね。
左から仙川が流れ入り、右の野川に合流します。
ここですね。(どうも、古畑です、今更ですがこんにちは)
GoogleMapで単純計算すると20kmの工程なのですが、先述の通り何度も迂回して余分に走らされたおかげで30kmくらいになっていました。ビールが飲みたいです。
仙川の印象
初めて小金井市の「上流端」から野川まで、仙川をめぐってみました。正直、仙川って野川と同じような川だと思っていたのですが、こうして野川を見ていると全く別物だということに気づきました。
野川はそこらじゅうで川に降りていけて、結構遊べるイメージなのですが、今日めぐっていた仙川はあまりそういったスポットがなく、流域市民の方々も「見て癒やされてる」というような感じ。あと、川幅が均一で野川に比べると狭いですね。
開渠がひたすら続く箇所は、人の手で自在にコントロールされている感じで、それはそれで役割をまっとうしている・・・のかな。
こうして印象を並べていくとなんだか悪口を言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではないです。仙川には仙川の面白さがあり、かつての清流を取り戻したいという各自治体の想いもあちこちで感じました。
「川の上流」というと「きれいな清流」「湧き水」みたいなイメージがありますが、実は今回のように開渠・暗渠ばかりということも結構あるんですね。
ここまで読んでもらって、『普段見ている川の上流ってどんなふうになっているんだろう?』と思って興味を持っていただけたら嬉しいです。
なんだか最後はまじめな感じになりましたが、今回も楽しくだらだらと川をめぐることができました。
さんざん開渠・暗渠が続く都市河川風景を見てきたので、次回は自然たっぷりな場所、平井川をめぐろうと思います。それではまた!