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ゴールしたくて、多摩川を目指した
ある日突然、なんだかモヤモヤして「自分はどこに向かっているのか」よくわからない状態に陥ってしましました。
なんかもうやってらんなくなったので
— 多摩川を愛でる会(古畑) (@TamagawaLovers) January 29, 2024
多摩川来ちゃいました pic.twitter.com/JMU0xXMEQJ
理由もなくソワソワ、イライラ、落ち着かない。
今まで割と楽しくやっていたことが、前ほど面白いと思わなくなったり。
うまく力が入らないというか。力の入れ方が分からなくなったというか。
「自分はどこに向かっているのか」
分からなくなった僕が、ようやくたどり着いた答え、
それが、
「じゃあ、ゴールすればいいじゃん」
ということでした。
どこに向かえばよいのか分からないなら、スタートとゴールを自分で決めて、ゴールすればいい!
モヤモヤしてるなら、ハッキリしたことをして、スッキリすればいい!
…前置きが長くなりましたが、こうして僕はまた、
多摩川の支流をめぐる冒険に旅立つことにしました。
※僕と同じようにモヤモヤしている方、記事はもう読まなくて良いので、今すぐスタートとゴールを自分で決めて出発しよう!
大栗川をめぐる冒険へ
今回めぐるのは「大栗川」。
大栗川は八王子市の多摩美大のすぐ近くの場所から始まり、聖蹟桜ヶ丘付近の多摩川に合流する15kmほどの支流。冒険の始まりの場所はここです。
朝早くに電車を乗り継いで、JR横浜線の「橋本駅」に到着。ここからバスで「多摩美大前」まで行きます。
この日はたまたま受験日で、「多摩美大行きのバスはこちら」のプラカードを持った職員の方がたくさん。
その姿を見てとても懐かしい気持ちに・・・
実は奇しくも20年前のちょうどこの日、僕も多摩美大を受験していたのです。落ちましたが。
やや苦い記憶が再生しながらの幕開けとなりましたが、20年前の自分と少し向き合えた気がして、これはこれで良かった気もする。
バスに揺られること5分くらいですぐに多摩美大に到着。
大栗川の始まりの場所はこちらです。
上流端の看板があるのでわかりやすいのですが、多摩美大キャンパス入り口からはほぼ死角なので、ほとんどの人は気づいていないんじゃないかな。ちなみに20年前の僕は気づきませんでした。
水は流れていなくて、枯れています。野川の上流とか行くと分かりますが、都心部を流れる多摩川の支流を辿ってみるとこういうこと結構あります。雨が降ったりすると幾分潤うんだろうか。
いざ大栗川をめぐろう!
大栗川は野猿街道沿いの住宅街に沿って流れる川。
上流パートはしばらく住宅地を縫うようにして流れ、たまに暗渠化します。ただ、基本は開渠で比較的川沿いに沿って移動できました。川によっては仙川みたいにしょっちゅう地中に潜り込んでしまうものもあるので、大栗川はそういう意味では「めぐりやすい」良い川。
見た感じグレーゾーンな橋。個人的には好きです。勝手橋なんて呼ばれるけど、勝手が良いからかけてあるわけであって。※あくまで個人の感想です。
水源のある場所の地名は「鑓水(やりみず)」。いかにも水に恵まれているふうな良い地名なので、思わず写真を撮っていました。川の上流端付近ってこういう水にまつわる地名多いですよね。
大栗川、ここまでは干上がっていたけど、何かの支流と雨水?がここから流れ込んでいました。「御台橋」という場所付近。
おっ、看板を発見。
そのすぐ近くに「八王子道標」という道標があります。今はとてもそんなふうには見えないけど、昔は商人たちの往来がたくさんあったそう。支流めぐりも楽しいですが、古道めぐりも良いっすよねぇ。
対岸に目をやるとなんとなく、旧大栗川っぽい道が。大栗川は暴れ川で昔はかなり蛇行していたらしいので、もしかしたら昔の流路かな。
大栗川は考えを巡らす最適な川だ!
大栗川、1kmくらい歩いたとき思ったんですが、川沿いに遊歩道がきちんと確保されていて、すごくめぐりやすいです。
川沿いにきちんと遊歩道が整備されているので、迂回したり、対岸に渡ることがほぼなく移動できます。ジョギングや散歩などにぴったりの川だと思います。
そして、何よりこの日の僕のように、心のモヤモヤと向き合い歩くのにマジでぴったり…!
(個人的には、このフェンス(赤線)を取っ払って川へのアクセスを良くしたいとか思ったりもしますが。)
『平瀬川をめぐる冒険』のときのように、川沿いにこうした里山の名残が見られてとても良いです。
どんどん歩いていきます。後ろを振り返ると富士山が!
このあたりから、川に近づけるような感じになってきます。
よし、じゃあ遊歩道から降りて、次の橋の下をくぐってみよう!と思いくぐってみると、
橋の裏側に
穴…!
穴…!?
すいません、なんで穴が空いていてるんすか?
そもそも、なんでここだけ木製の板貼りなんでしょう…
怖いので深堀りするのはやめました。
さて、この先で大栗川に大田川が合流します。今ここです。
「大栗川公園」。
大栗川のディテールを愛でる
大栗川、基本まっすぐな道で考え事をするのに本当に良い川なのですが、自然河川そのままな感じではないので、愛でる対象はどうしても人工物など「非生物」の割合が多くなってきます。(この日は2月だったので季節的にももっともさみしい時期ではあります)
というわけで、僕も自ずと大栗川を構成する人工物やディテールを愛で始めていました。
まずはこちら。フェンスのてすりについている小さいヒナ。
めちゃくちゃかわいい。
あと、右岸には謎のかわいい彫刻があちこちにいます。
なんなんだ、君は。ちょっと怖いけど、じわりじわり、かわいいじゃないか。
癒やされました。
あと、さらっとポンプがあったりします。まだ現役かな。
付近で護岸工事していたので、減水気味です。
もう少ししたら水かさが増えたり生き物が増えたりするのかな。緑が生い茂る景色にまた来たい。
ロウバイ。見た目も香りも美しく、大栗川に文字通り華を添えていました。
見てください、橋の銘板。
橋自体は新しくかけ替えられていたけど、橋の銘板は昔のまま残されています。この橋だけでなく、多くの川の橋でこうした継承がされていて、すごく好きです。
橋が無くなったとしても、橋が移築されて遺されたり、そばに供養塔が建てられたり。こういう精神文化があるということ、あらゆる形でもっと世の中に、世界に浸透してもらいたい。
あとちょっと脱線するけど、こういう歴史的オブジェを見て、
例えば昭和48年って書いてあったら、当時流行っていた音楽やファッションを思い出して頭の中で再生したり、思い描いたりして。っていう遊びをしてみるのも好きです。この遊びは別に川沿いじゃなくてもどこでもできるから楽しくて、小さい頃からやってます。
さらに愛でていく
多摩モノレールの高架下を通り過ぎたあたりに、自転車の駐輪場が。
川沿いに駐輪場があるの珍しい気がしました。増水時のこととか考えるとなかなか導入しにくいのかな。
大栗川の看板、本日お初のニュースタイル。ダイカットで良い感じですね。同じ形状の看板、どこかでも見たような。
対岸に、やけに真っ白でソリッドな護岸が現れる。
やや、ここだけなぜ芝生とか岩とかが無く、むき出しなんだろう?と思ったんですが、これはこれでカッコイ。
無垢のソリッドな佇まいがカッコいいと思ったのですが、しばらく先に行って真相?が判明。
石積みのように加工されるのが完成形で、
無垢のソリッドな状態はまだ工事中ということなのかな。
しかし、緻密に並べられた石積みに感動です。まじでスゴイッス、美しい。良い仕事。
等間隔に並べられた謎の構造体。こんなふうに棚分けされる必要あるんだろうか。
川に目を戻すと川底に木製のレールのようなものが。なんて呼ぶか忘れちゃったけど、昔から伝わる治水対策のやつですよね。多摩川本流はもちろん、秋川とかにもあったような気が。
大栗川看板を下から煽って撮る。
親水レベルを上げていく大栗川
もうほぼ聖蹟桜ヶ丘付近なんですが、このあたりまで来ると川に鯉がいたり、鷺たちもわらわら居るようになります。
川に飛び石があって、対岸に渡れる仕掛けになっています。川との距離感がめちゃくちゃ近く、親水レベル高いですね。多摩川本流まであと数キロというところ。
川の流れ方が自然な感じになってきました。野川っぽい雰囲気。
さて、いつもは美味しいラーメンをどこかで頂くのが本企画の習わしなのですが、今日はタイミングが合わず、かわりに大栗川近くのお蕎麦屋さんに入りました。
ランチメニューの天丼&そばセット。
もりもり食べてエネルギーチャージ。
ごちそうさまでした!
さて、再スタート。
この先、多摩川本流に合流する手前で、大栗川に乞田川が合流します。乞田川は多摩川グッズのステッカーにもなっている大栗川の支流。
乞田川、すごいインパクトがある名前ですが、結構好きな方が多いんですよね。川との距離感が近くて僕も好きです。
乞田川を橋上からのぞくと、鯉のコミュニティが。
たまたま太陽が顔を出したときで、水が透き通って見えて浮遊しているみたい。
多摩川本流までもう少しです。写真だと小さいけど、中央をめっちゃ拡大すると府中にかかる是政橋や、はるか彼方に東京スカイツリーが見えます。
本流まであと0.3km!
僕のゴールまでもうすぐ!
僕のモヤモヤよ、晴れろ!
ああ!
ついた!
大栗川の合流点、めちゃくちゃわかりやすい!
アクセスもしやすい!
(他の支流、結構どれも行きにくかった記憶)
後ろを振り向くと、山々が美しい・・・!
感涙です。
この日の空のように、とまでは行かずとも、幾分モヤモヤが晴れた気がする。
すごいぞ大栗川、ありがとう大栗川!
ちなみに、ここ多摩市の交通遊園になっていて、小さい子どもたちが交通ルールを学んだり、自転車の練習をしていたりしていました。
また、敷地内に野鳥観察小屋なんかもあり、野鳥好きカメラマンがファインダーを覗いて鳥たちと対峙している様子も見られました。
おわりに
こうして、今回も無事、大栗川のはじまりから終わりまでめぐることができました。
大栗川のポイントはなんといっても遊歩道完備、市民の足に優しい川であるということ。
また、野猿街道沿いに流れているので、適宜コンビニ休憩などとることができ、駅やバス停なども近いので、普段あまり散策しないような方や、これから運動を始めたいという方にはマジでおすすめしたい川でした。
モヤモヤを晴らすため、とにかくゴールしたいと思って始まった今回のめぐる冒険。
自分で決めたゴールをゴールするだけでも、結構気分って変わります。
あ、そうだ!
僕のように一人でモヤモヤと対峙して川をめぐるのも、ひとつの自分自身への処方箋だとは思いますが、川散歩でおなじみのカワマミコさんがこんなことを始めたそうなので、興味がある方は相談してみると良いかもしれません。
【川散歩セラピー始めました】
— 川さんぽ企画 (@cawasanpotour) February 4, 2024
川を好きすぎるカウンセラーが
川でカウンセリングを始めます。
川を歩きながら
どんな話でもお聴きします。
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ではでは!まだまだ寒いですが、暖かくなってきたら多摩川で会いましょう!