多摩川を愛でる人々 インタビュー:「多摩川を愛でる会」とは?

2013年から多摩川流域にフォーカスした活動(Facebookページ)を開始。その後、オリジナルグッズの企画販売や、間伐材を使ったワークショップなど幅広い活動を通じて「多摩川」の魅力を伝えてきた「多摩川を愛でる会」。 今回は、「多摩川を愛でる会」の代表である古畑さんに具体的な活動の紹介や、活動を始めた経緯などについて話をしてもらいます。

古畑 健太郎 Kentaro Furuhata
多摩川を愛でる会 代表 / デザインオフィス ムラハタワークス 代表
東京造形大学卒業後、文具メーカーに勤務。2016年にデザインオフィス ムラハタワークスを設立。

多摩川流域で活動する団体は数多くあると思うのですが、「多摩川を愛でる会」というのはどのような団体でしょうか。

まず、「多摩川を愛でる会」はNPOのような団体組織ではありません。僕が代表を務める「ムラハタワークス」というデザインオフィスのプロジェクトのひとつで、僕が感じる多摩川流域の面白さ・素敵さを情報発信する活動です。なので、たとえば『多摩川の河川環境を良くしたい』みたいな具体的な目標もありません。

なんというか、そういう高尚なものではないんです。

会員制度みたいなものももちろんないです。自分と同じように多摩川が好きな人と自然と繋がれたらいいなと思っているので、SNSのフォロワー=会員みたいな感じだと勝手に思っています。活動自体はあくまで僕、古畑の個人活動の結果であって、それが結果としてプロジェクトになっている感じですね。ちょっとややこしすぎて、なんだかすいません。

なるほど。あくまで個人活動として「多摩川を愛でる会」があるのですね。では、多摩川の魅力をどのように伝えているのか少し具体的に、教えてもらえますか?

基本はTwitterなどのSNSでその日に訪れた多摩川のことを伝えています。あとはこの記事が掲載される「多摩川を愛でる会通信」という場所での情報発信ですね。住まいが東京の狛江で、オフィスは二子玉川なので、だいたいその辺の多摩川のことが多いです。ですが、もちろんその他のエリアに出かけていくことも多いですよ。

「多摩川」と聞いたときのイメージって自分の家の近くの景色だと思うんですが、多摩川の上流から下流まで全長138kmの間にはいろんな景色があるんです。上流に行くと、奥多摩の大自然多摩川が。下流に行くと都市と密接にあるアーバン多摩川が。河口は東京湾の干潟がある。

どの景色も多摩川ですが、それぞれ全く別の魅力があります。

僕自身もすべての景色を見たことがあるわけではないから、まず自分が知りたいんです。それで、「こんな景色だったよ!」と周りの人達に伝えている感じですね。

あとは多摩川のオリジナルグッズ「多摩川グッズ」というものを企画してWEBやイベントなどで販売したり、ワークショップを開催したりしています。

「多摩川の魅力」といえば、例えば生き物や植物、カヌーとか釣りとかの遊びなど、本当に色々なものがあるんですが、僕が特に好きなのが多摩川の水路学的な部分です。例えば本流から分水した用水や暗渠など、多摩川にはそういう水路が数え切れないくらいあります。地図で見ると血管みたいになっています。多摩川は一本の線じゃなくて、「面」みたいな感じで存在しているんですよね。

source:http://www.ktr.mlit.go.jp/

だから、一見多摩川とは関係ないような都心部でも、多摩川の孫みたいな用水路がたくさんあって、みんな知らず知らず接している。多摩川に。なんか、面白くないですか??実は多摩川はみんなが思うよりずっと身近な河川なんです。

僕は普段から常に多摩川に触れていたいと思っているので、都心部で多摩川水系の水路を見つけると枯渇した自分の「多摩川欲」を満たせるような気がして心地よいです。『なんだ!ここも多摩川じゃん!』という感じで、一気にホームのようになるんですよね笑

「多摩川欲」・・・!笑 ちょっとやばい感じがしますが、実は意外とみんなそれぞれ「多摩川欲」みたいなものを大なり小なり持っているのかもしれないですね。つまり「多摩川欲」が「愛でる」原動力となるのですね。そんな愛してやまない多摩川なのですが、そもそもどうしてこの活動を始める事になったのですか?

上京して、仕事で疲れたときにたまたま多摩川に散歩に出かけたんですが、東京とは思えない、石がごろごろ転がった河原を見て故郷の河原を思い出したんです。僕の地元は長野なのですが、幼少期に祖父によく河原に連れて行ってもらっていたんですね。その幼少体験を思い出して、自分以外誰もいない河原を延々と歩いたり、野ざらしの豊かな自然と触れ合っていたら不思議と心にゆとりが生まれたんです。最初は精神的に自由になるために多摩川に行っていた、という感じですね。

故郷の河川「梓川」

「多摩川を愛でる会」というのは、その頃、『自分と同じような人と多摩川を缶チューハイ片手に飲みながら歩いたら楽しそうだな。よし、そういう集まりを企画しよう!』と思って作ったFacebookページの名称が発端です。2013年くらいのことです。

ただ、当時はそこまで対外的な活動をしていなかったので結局実現しなかったのですが笑。今年の春くらいになったらやろうかな。

で、現在は先程お話したようなSNSやWEBでの情報発信や、グッズの企画・販売などを行っています。

インタビューは更に続きます。次回は多摩川のオリジナルグッズ「多摩川グッズ」についての内容になる予定。乞うご期待!