多摩川を愛でる人々 インタビュー:多摩川ワークショップ「多摩川でえがく」について

古畑 健太郎 Kentaro Furuhata
多摩川を愛でる会 代表 / デザインオフィス ムラハタワークス 代表
東京造形大学卒業後、文具メーカーに勤務。2016年にデザインオフィス ムラハタワークスを設立。

2013年から多摩川流域にフォーカスした活動(Facebookページ)を開始。その後、オリジナルグッズの企画販売や、間伐材を使ったワークショップなど幅広い活動を通じて「多摩川」の魅力を伝えてきた「多摩川を愛でる会」。 前回に引き続き「多摩川を愛でる会」の代表、古畑さんにお話を伺っていきます。

ーここまで多摩川を愛でる会の活動や、「多摩川グッズ」についてお話を伺ってきました。色々と活動される中で、物販などに併せてワークショップも展開されていると聞きました。そのへんについても経緯や想い的な部分を教えていただけますか。

多摩川でやってきたワークショップ「多摩川でえがく」ですね。
「多摩川でえがく」というのは、多摩川の間伐材を加工したスタンプを使って、うちわや紙の帽子、フォトフレームなどを作るワークショップです。

2016年川崎で開催したときの様子
間伐材スタンプでうちわをつくるこどもたち

上流の方で配布された間伐材を丸や三角、四角の形に加工したスタンプで、好きな色のインクでスタンプ。すると、木目の模様が意外ときれいに出るので、小さいお子さんでも手軽に楽しめます。
河原沿いのイベントに出かけていって開催することが多いのですが、大人や子供たちがその場でさっと参加できて、さくっと作品を作れて持ち帰れるようなものが良いなと思い企画しました。

作れる作品の一例

ーそもそもなのですが、なぜワークショップをやろうと思ったのでしょうか。

ムラハタワークスの村尾がこれまで子供のワークショップ関係の仕事を長くしてきていて、ちょうど多摩川で色々やり始めたときにイベント依頼の話などもあったので、「じゃあ、多摩川でできるワークショップを考えようか」という感じで、割と自然な流れで始まりました。

「多摩川でえがく」というネーミングの由来は、
多摩川という「場所でえがく」
という意味と、
多摩川にある「素材でえがく」
という2種類の意味がこめられています。

一緒にスタンプされた葉っぱの葉脈も美しい

ほとんどの場合は河川敷で開催しているので、間伐材スタンプの他に周辺に生えている植物などを使うこともあります。
周辺にある身近な草花の形や葉脈、触感なども発見できて、参加されるお子さんの中には制作に没頭してしまう子も笑。

多摩川上流の景色(青梅付近)

また、参加される方と間伐材や上流の多摩川の会話をしていると「へえ、こういうところにあった木を使っているんだね」という話になり、今ここで見ている多摩川と上流の自然豊かな景色はつながっているんだと驚く方も多いです。

調布で開催したときの様子。

2016年から始めて、これまでに川崎や調布、狛江、二子玉川などの河川敷で開催してきました。
基本は子供中心ですが、中には若いカップルなんかも参加してくれてとても嬉しかったです。

ー多摩川という場所で、多摩川の素材を使って「えがく」ワークショップ、それが「多摩川でえがく」というわけですね。多摩川の流域的な広がりや、身近な植物に対する発見など、大人から子供までそれぞれ得るものがありそうです。さきほど、スタンプして持ち帰れる作品についてお話がありましたが、どんな作品が作れるのか詳しくお聞かせください。

うちわ・紙の帽子・ポストカード・紙製のフォトフレームなどですね。

左上から:うちわ・紙の帽子・ポストカード・紙のフォトフレーム

夏の出店が多いので「うちわがいいかな〜」と思って始めました。で、あるときに「紙の帽子」を試験的に加えてみたら、ワークショップを終えたあとの、その帽子をかぶる子どもたちが多摩川を駆け回る景色がすごくいいな〜と。

それから紙の帽子もラインアップに加わりました。

景色づくりにも一役買う?紙の帽子

今後は、他にも身に付けられるようなアイテム、例えば紙のかばんとかメダル?なども増やしていけたらいいなと思っています。

ーありがとうございます。今後、ワークショップでやっていきたいことなどありますか?

そうですね、個人的な話ですが、2019年は子供が生まれたりとワークショップ開催を見送ってきたので、まずは今年から徐々に無理なく再開していきたいですね。
ワークショップ企画自体も常に内容をアップデートして、より充実したものにしたいです。例えば、より「多摩川で」ということを伝えられるか、など。ただのスタンプのワークショップにならないように、参加される子供や親の方に分かりやすく楽しく伝えられるような工夫をしていけたらと思います。

ーはい、ここまで色々お話お聞かせいただきありがとうございました。最後に、多摩川の人々に何かメッセージなどありましたらどうぞ。

多摩川を愛でる会はこれからも多摩川をのんびり楽しく、ときにエキセントリックに愛でていきます。今度は是非多摩川で会いましょう!

多摩川の人々を愛でる人々のインタビュー、Vol.01はいかがでしたでしょうか。この企画を通じてより多くの人々が多摩川に興味を抱き、また同じように多摩川を愛でる人々同士がつながるスイッチのようになれたらいいなと思っています。
今後も各流域の多摩川を愛でる人々にインタビューしていきますのでお楽しみに!