奥多摩から河口までひたすら歩いて飲む旅
本書は、『50年酒場へ行こう』や『ぶらり昼酒・散歩酒』などの飲み歩き本を数多く手がける大竹聡さんの著書。
多摩川の上流から河口までをただひたすら歩いて飲んで下っていくという、
「酒飲み」+「多摩川好き」にはたまらない一冊です(私もその一人)。
昼間からのれんをくぐり、酒を飲むというのは「吉田類の酒場放浪記」にも通じるところがありますが、
今回の「飲み下り」で私がすごく気に入ったのは、「酒場」だけじゃなく、
「肉屋でコロッケを買って河原で缶チューハイをちびりとやる」
というような、アウトドア?スタイルが程よく織り交ぜられているところ。
飲む場所は酒場だけとは限らないんですね。
このあたり、大竹さんの長年蓄積されたノウハウのようなものも、知ることができます。
例えばこんなのとか。
この日私が背負っていたリュックには、ごく小さな保冷袋が入っており、その中には缶ビールが、凍らせたカルピスウォーターのペットボトルと一緒に仕込んであるのだ。こうしておくと、ビールはずっと冷えたまま。
外でキンキンに冷えたビールを飲むためのライフハック!ですね。
あるいは、こんな感じの「大人な」飲み方も知ることができて、なんだかいいなぁと思うのです。
この日は相当に暑い日であって、熱いラーメンをすする気になれない。まずはビールで板わさ、冷酒にかえて蕎麦味噌と鴨肉、それから、もり蕎麦を一枚、そんな感じで涼みたいのだ
多摩川は、私も奥多摩から河口の羽田飛行場付近まで一通り行ったことがあるので、
ああ、あそこはこんな感じの場所だったよなぁ
と情景が頭に浮かんで来ます。
中には知っている酒場や酒屋も。
本を読んでいて、「あ、いいな」と思った部分や、あとで読み返しそうな情報があった場合、私は付箋をペタペタと貼るようにしているのですが、
『多摩川飲み下り』はこんな感じで付箋だらけになってしまいました。。。
帯のコピーにもあるように、
とにかく、読んでいると無性にお酒が飲みたくなる、
というか、
同じように多摩川を飲み下りしたくなってしまうという、ある種大変危険な本でありますので、
興味がある方でも十分に気をつけて読んで頂ければと思います。