マルタウグイの産卵環境を整備するイベント、「かわのまちアクション2018 マルタウグイ産卵環境づくり(主催:二子玉川エリアマネジメンツ 協力:せたがや水辺デザインネットワーク)」に参加してきました。
マルタウグイは春の多摩川に産卵のため遡上する在来魚で、「ウグイ」といってもサイズは40cmを超えるビッグサイズ!
多摩川の「魚」と言ってもいいくらい、皆に愛されています。
今回のイベントは川の流れの中に「瀬」と呼ばれる段差を作ったり、苔のついた石を綺麗にすることで、マルタウグイが遡上して産卵しやすい環境にしていくというもの。
現場に到着。
この日は春のような暖かさで、最高のロケーションです!
が、まだ素足で水の中に入るのは厳しそうなので、ウェーダーを着用。
多摩川に入りながら、マルタウグイが遡上するポイントに石を積み上げてダム的な物を構築していきます。
大きな石を積み上げて、流れの中に段差ができるような感じです。
表面に苔が付着している石は産卵の妨げになるため、ひっくり返すor洗浄をすることで産卵床の環境を整えていきます。
ちなみに、水中の様子はこんな感じ。
苔が広範囲で繁殖しているのが分かりますね。
一部エリアだけとはいえ、これを綺麗にしていくのは結構重労働です。
ですが、参加者みんなで協力して作業を進め、一時間程度で作業は完了!
川下から見た産卵床の瀬。
綺麗に段差ができているのが分かりますね!
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ところで、石に付着していた苔は、堰による水量調整が繁殖の原因とのこと。
水量がコントロールされているため、どうしても石が水中で滞ってしまい、苔が定着しやすい環境になってしまうそうです。
※決して「汚れている」わけではないのですが、河川にとっては自然な状態とはいえず、マルタウグイの産卵環境には適していません。
また、多摩川の水流の多くが「生活排水」だということも原因のひとつです。
フォロワーさんから、こんな写真とツイートをいただきました。
多摩川に初めて下水処理水が流れ込むのは、昭島市です。多摩大橋のすぐ上流側です。多摩大橋から流れを見下ろすと、流れの右手は川底の石が黒いと分かります。下水処理水は川底の石を汚すことが一目で分かります。一方、流れの左手は多摩川上流や秋川の水が流れて、川底はきれいですよね。 pic.twitter.com/yXKBPmQgv8
— 川辺たあ坊 (@kawabe0113) 2018年3月4日
こちらは、多摩大橋から見た多摩川に排水が合流するポイントの写真です。
生活排水が流れ込む部分だけ、石が黒っぽくなっている(=苔が繁殖している)のが分かります。
多摩川は、山梨の笠取山を源流に、東京湾まで138kmに渡って流れ注ぐ一級河川
という言い方をよくしますが、実は流量のほとんど(中流域ではほぼ半分)は生活排水。
現代多摩川の宿命といいますか、多くの方があんまり知らない現実なんですね。
かつての「死の川」と呼ばれた多摩川からは水質も飛躍的に改善していますが、こうした問題はまだまだあるということを実感しました。
・・・若干話がそれましたが、
活動のあとは場所を移して乾杯&美味しいごはんをいただきました!
なんと多摩川森林組合の方ともお会い出来て、超感動!
本持ってくれば良かった・・・と後悔しました。
(↓マルタウグイに興味がある方は必読の書です。)
今春も一生懸命遡上してくるマルタウグイのみなさん、おかえりなさい!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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