四谷大木戸に行ってみよう
今日はたまたま都心で打ち合わせがあったので、せっかくならついでにどこか巡ってみようと思い、
玉川上水の終着点、「四谷大木戸跡」に行ってみました。
承応元年(1652年)、江戸幕府の命を受けて開削された江戸市中に送水するための水路。
工事の命を受けた玉川兄弟は、多摩川上流の羽村から、四谷大木戸までの43キロにまでわたる長い道のりを、たった1年足らずで開削し開通させた。
とりあえず新宿御苑を目指す
Twitterのフォロワーさんから、
「新宿御苑の側道が整備されて玉川上水跡を巡れる」
という情報を得たので(感謝!m(__)m)、四谷大木戸へは新宿御苑経由でいくことに。
新宿御苑に到着すると、インフォメーションセンター的なところがあったので、そこで詳しく聞いてみました。
(私、極端に方向音痴なのと、地図が読めないタイプなので、誰かに道を聞かないといつまでもたどり着けないんです)
多分、同じような人がたまにやってくるんでしょう、係の方が丁寧に教えてくれて、パンフレットまでもらっちゃいました。
整備した側道は新宿御苑の「外側」にあるので、入場料を払わなくても誰でも立ち入ることができます。
ここが新宿側の入り口。
開放時間と閉鎖日があるのでいつでも入れるってわけでもないみたい。
開放時間:午前9時〜午後4時30分
閉鎖日:毎週月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日〜1月3日)
この散策路、正式名称は「玉川上水・内藤新宿分水散策道」と言うのですが、
「旧新宿門区間」「大銀杏区間」「大木戸区間」の3エリアに分かれていて、各エリアには武蔵野の雑木林に生育する草木が植えられています。
側道に水路が!
これが復活した玉川上水の御姿・・・!
現代に蘇った玉川上水のせせらぎ。
パンフレットには21世紀における初めての分水と書かれていました。そう言われると心が熱くなる。
水路設計は、玉石による石積護岸や、植栽が繁茂しやすい土の法面など、現存の水路を参考に設計しているそうです。
途中気になったのが、管理門に併設される小屋。
写真は旧新宿門横の小屋。
昭和よりももっと前にできたような、ビンテージな佇まいです。
こっちは大木戸門横にあった小屋。
この幾何学的装飾だけ見ると近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの作品みたい。
壁部の装飾も非常に手が込んでいて、ひっかきで表面が装飾されたレンガと、ノミで表情がつけられた木が特徴的。
レンガに関して言うと、まさにフランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテルのレンガのよう。
ですが、フランク・ロイド・ライトの作品であるわけないので、その時代に影響を受けた建築家の仕事かな。
さて、散策路をあとにして、いよいよ四谷大木戸跡に向かいます。
場所は地域センター付近ということですが、交差点に向けて歩いていけば右側に大きな石碑が見えてきます。
あった!でかい!
これは玉川上水開削の由来を記した記念碑で、明治28年(1895年)に完成したものだそう。
裏側には、「四谷大木戸跡碑」があります。
この石碑は昭和34年に地下鉄丸の内線の工事の際に出土した、玉川上水の石樋を利用して作られたもの。
ですが、実は実際の大木戸跡はこの場所ではなく、現在の四谷四丁目の交差点にあるみたいなので、行ってみることに。
四谷四丁目の交差点。
隅っこに目をやると、新宿の交差点には似つかわしくない石灯籠があったので、そばによってみると、やはりこれでした。
ここが玉川上水の終着点、四谷大木戸。
この場所から地中に入り江戸市中に水が送られていたんですね。
たぶん、道行く人々のほとんどが、そんなことを思わずに往来していると思うのですが、
こうした過去の人々の暮らしの一部を大切に残して継承していくことはとても重要なことですね。
この日は非常に寒くて大変だったので、暖かい散策日和に行くことを強くおすすめします笑
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