「多摩川のミーコ」を読んで。

先日たまたまTwitterのタイムライン上で発刊を知った、なりゆきわかこさんの「多摩川のミーコ」。

書店で見つけたので買って読んでみました。

多摩川河川敷に捨てられた子猫のミーコは、

幸運にもホームレスの「おっちゃん」に拾われ一緒に暮らしはじめることになります。

まだ幼いミーコは、自分がなぜ飼い主に捨てられたのか理解できないまま、猫から「人間」について教わっていきます。

いらなくなってしまったら、都合よく捨ててしまう身勝手な「人間」。

酒によって乱暴をする「人間」。

動物をいじめることを楽しむ残虐な「人間」。

ホームレスや、捨て猫(犬)たちを助ける「人間」。

猫にも色々な種類の猫がいるように、人間にも色々な種類がいる・・・。

幼かったミーコは、他の猫や人間と出会いながら成長していきます。

そんなときに、大型台風がミーコたちの住まいを襲い・・・。

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この物語は、2007年に関東を襲った台風9号をもとにした作品。

設定は少しずつ変えているそうですが、ミーコは実在する猫。

そして、物語の中で語られる動物虐待を行う人間のエピソードも、悲しいことですが事実だそうです。

読み進めていくと、ミーコを通して、

命を軽んじる身勝手な人々、河川敷のホームレス問題、保護動物の殺処分問題など、

現代社会に潜む深刻な問題について深く考えさせられます。

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最後、ミーコにとっての多摩川が「不気味な黒い筋」で終わるのではなく、

皆を暖かく見守ってくれる存在になっていたことが嬉しかった。

やさしい文章なので、小さいお子さんと一緒に読み進めていくこともできると思います。

ですが途中で、読んでいるこちらの涙腺が崩壊してしまう可能性があるのでくれぐれもご注意下さい。