【多摩川探検隊】化石採掘の旅

化石採掘、それは男のロマン

多摩川で簡単に化石採掘を体験できるという事をご存知だっただろうか。

・・・なんて偉そうに問いかける私も、実は最近知ったばかりなのだが、

宿河原堰下流には約100万年前の海底が露出した「化石採掘スポット」があるのだ。

地面を淡々と掘りながら、古代に思いを馳せ化石を探す。

これはもう、男のロマンとしか言いようがない。

多摩川でそれが出来るなら尚更、行かないわけには行かない。

ということで、実際に行ってみることにした。

少しググったところ、特別な道具がなくても割と簡単に採掘できるということだったので、

軍手、ハンマー、スコップなどを家の中から引っ張り出してきて準備を整え多摩川へ。

夏の多摩川は侵入しにくい

今回の現場は最寄り駅でいうならば、小田急線「和泉多摩川駅」から徒歩20分程度の場所。

行ったことがある方はすぐ分かるかと思うが、

なかなか場所について言葉で説明するのが難しいエリアなので、あえて詳細は語らないでおく。

現場を探すのも、楽しみのひとつということで。

採掘現場へのルートは色々あるのだけれど、

今の季節は草木が生い茂っていてとても歩きにくい。

周囲に「マムシ注意」という看板があり、ビビりながら進む。

いざ、採掘!

草木を掛け分けて到着。

周囲は道路や住宅から草木によって遮られているので、ここらへんは人が極端に少ない。

が、この日は珍しく先客のおじさんが。

何やらザル?のような物を使って、川の中で何かを洗っている。

後から分かったのだが、どうやらこのおじさんは多摩川で砂金探しをしていたようだ。

世の中には色んな遊びがあるもんだ。

さて、私も自分の遊びを開始することとした。

スコップで剥がしたり、ハンマーとタガネを使って露出した泥岩を削っていく。

泥岩は「ほろほろっ」と崩れてしまうので、慎重に行わないと化石もろとも破壊してしまう。

少しでもそれっぽいものがあったら、釘やハケなどで周りを掻いて、本体に傷がつかないように掘り出してやる。

印象化石といふもの

淡々と掘り進めていると、何やら木片のような物を発見。

何万年も前の植物なのだ(なのか?)と思うと感慨深い。

やけに鮮やかな色彩を放つ物があると思ったら、これは樹脂製の葉であった。

更に場所を移して掘り進めていくと、何やらアサリのようなものを発見。

一見タダの土の塊に見えるが、

フォルム的、ディテール的にも、これは貝の化石だろう。

後から来た、化石採掘に詳しいおじさんに教わったのだが、

これは生体が堆積物などに押し付けられて、輪郭のみが化石となった「印象化石」いうものに分類されるらしい。

貝殻のスジが堆積物に写し取られている。これも、貝の印象化石。

キリがない、大人のロマン

この化石採掘という遊び、結論から言うと、

「ゴール」がない。

つまり、自分で目標設定もしくはリミットを設けないと、帰るタイミングが分からない。

そういう意味では釣りとも似ているかもしれないが、

釣りは「魚」が常に動いて活動してるのに対し、

化石は常に地中にいるため、「あきらめ」の落とし所が非常に難しいのだ。

結局、私は目標設定を「何らかの化石を一個持ち帰る」とし、丁度腹が減ってきたこともあり、今日のところは引き上げることにした。

次は砂金掘りにでもチャレンジしてみようかな。